またあるときは登山ガイド、森林セラピスト。信州を中心に森と山をご案内♪

■ 山のよもやまばなし − 「カモシカを説得」

4月の下旬だというのにまとまった雪が降った。プチ雪山を味わおう♪ということで、鉢伏山へ出かける。

ずいぶん前の雪の無い時期に一度訪れただけなので、道もうろおぼえ・・・と思いながら歩いていると、突然前方で「ざざざ!」という音が。 「うわっっっ」っと顔を上げると、5mほど先にカモシカ1頭、こちらを凝視。
しばし緊張の沈黙&睨み合い。その間考える。カモシカって、襲ってくるんだっけ。結構気は強いんだよね、角で突かれるとまずいな。逃げるなら下るからこちらへ来るな(片側は山の斜面、片側は川だった)、うーむ。カモシカには数知れず遭遇しているけど、こんだけ至近距離で対峙したのは初めて(暗闇の中からこっちめがけて走ってこられたことはあるけど)。 とりあえず、登山道の行く手を阻んでいるので、どいてもらわないと・・・。

で、説得を試みる。
動物と会うと、とりあえず話しかける私。もちろん言葉は通じないけど、声の調子から、敵意があるかないか、危険かどうかを動物が理解すると考えている。
「大丈夫、私歩いているだけだから。何もする気ないから。そっちへ行きたいんで、どいてくれる?」
「・・・・・」(凝視。顔を振っている=たぶんにおいを嗅いでる)
少しでも警戒心を解きたいので、サングラスを外してみる(大きい「目」に見えると思うので)。ちょっと「ほっ」とした?
「いい天気だね。今日はね、鉢伏山に行くんだ。そっちへ行きたいから、あっちかこっちによけてくれる?」
「・・・」
うーむ。これは若者だな(年寄りだったら面倒を避けるためとっとといなくなる)。どうしていいかわからないらしい。
「あんまり人に遭ったことないのかな?じゃあ、私がどくか。ほれ。」
と言って、山の斜面に上がり、下り方向の登山道を開ける。視線を外すとその隙に逃げたりするので、どうかな?と思ったが、相変わらず仁王立ち?してこちらを凝視。とりあえずカモシカと私の間に木が入ったので、最初の突撃はかわせそう。
というか、はなから襲われるとは思っていないどこか楽天的な私。話せばわかると思っている。
しかし、動かない。全然動かない。あああー時間がもったいない!!!
しびれをきらして「ほらーどいてよ!」「はよ行け!」「Go!」とかいろいろ言ってみるが、若者は「何、なに!??」って感じでますますこちらを凝視(苦笑)、効果なし。

双方睨み合いに飽きた感が漂う頃、ようやくむこうの緊張もとけはじめたようで、「帰ろうかな〜」という感じで若者はふいと斜面を見やる。 「お!動くか♪」と喜んだら、「と油断させて襲わないよね!?」という感じでまた慌ててこちらを睨む若者。 襲いません、襲いませんとも。早くどいてくださればええもうそれだけで。
ようやく「害なし」と判定してくれたようで、斜面を上がっていってくれました。
説得成功♪「おどかしてごめんよ〜」と挨拶して、その場を去る。やれやれ〜。

そんでもって鉢伏山はですね、プチじゃなくてほんとの雪山となっていて、その後ラッセルラッセルラッセル・・・で股関節おかしくなりました。


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